節分の際、豆まきと並んで広く行われるようになった恵方巻ですが、この風習は最近になってから一般的になったと感じている人も多いでしょう。
では、恵方巻はいつから日本に存在しているのでしょうか?
ここでは、恵方巻の歴史が比較的新しいものであるか、また関西地方だけで行われていたものがいつ頃から関東地方でも広まったのかについて解説します。
恵方巻きの起源は新しいのか?
恵方巻の起源については、江戸時代から明治時代にかけて大阪の遊郭で始まったとされますが、その具体的な証拠はありません。
江戸から明治時代の風習であることを踏まえると、その歴史の長さをどのように捉えるかは難しい問題です。
室町時代や平安時代から続く日本の数多くの習慣を考えると、100年以上の歴史を持つ恵方巻が特別歴史が浅いわけではないかもしれません。
それでは、なぜ多くの人が恵方巻の歴史が浅いと感じるのでしょうか?
これは、恵方巻が広まった経緯に関係しています。
江戸から明治にかけて誕生したとされる恵方巻が大衆に広まったのは、1932年の販促活動がきっかけだったためです。
昭和時代からの人気ならば、新しい歴史と感じるのも無理はありません。
1989年に広島市のセブンイレブンで販売されたことが、現在の恵方巻ブームの始まりとされています。
このようにコンビニがブームを起こしたことで、恵方巻の歴史が浅いと感じられるのでしょう。また、恵方巻という名称もこの時期に作られました。
したがって、恵方巻は平成時代に生まれた風習というイメージがあるのかもしれません。
さらに、同じ節分に行われる豆まきなどの古い歴史を持つ風習と比較すると、恵方巻の新しさが際立つのでしょう。
恵方巻きは関西だけのもの?関東での普及は?
恵方巻の起源は、江戸時代から明治時代にかけて大阪の花街で行われていたと言われています。
当時、芸者や商人たちが節分に繁盛を願いながら、この寿司を食べていました。
この寿司は「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」と呼ばれ、現在の恵方巻きという名称は使われていませんでした。
したがって、恵方巻きという名前は新しいものですが、寿司をかぶりつくという習慣は昔から存在しました。
全国的な普及のきっかけは、先述したようにセブンイレブンの販売戦略によるものでした。
その結果、関東地方での恵方巻の普及も平成時代に入ってからと言えます。
関西以外の地域ではこの風習が比較的新しいと感じることは自然なことかもしれません。
恵方巻きで願い事を人に話すと叶わない?
恵方巻きを食べる際には静かにすることが一般的です。
話をしないことで運が逃げないとされています。
したがって、恵方巻きを食べ始めたら、終わるまで何も話さずに静かに食べるのが推奨されています。
では、恵方巻きで願い事を他人に話すと、それは叶わなくなるのでしょうか?
日本の風習では、一般的に自分の願い事を他人に話すと幸運が逃げるとされています。
ですので、他人には秘密にしておくほうが良いとされています。
まとめ
恵方巻の歴史について詳しく見てきました。
恵方巻の原型は100年以上前に大阪で存在していましたが、現代のような節分での大規模なキャンペーンは21世紀になってからのことです。
このことから、恵方巻の歴史は相対的に浅いと言えます。
また、関西以外での普及は平成時代に入ってからということが、この風習が新しいと感じられる一因となっているようです。